今回ご紹介するのは、南阿蘇村中松にある「まめねこ舎(や)」。
こだわりの靴下やあまり書店では見かけない珍しい本が販売されている、本と靴下のお店です。店主の野島 梢(のじま こずえ)さんの「本と靴下が好き!」という思いが詰まった、癒しの空間ができるまでのお話を伺いました。
まめねこ舎は、木々に囲まれた敷地にある自転車屋さん「サイクルピットぐるり」(@cycle_pit_gururi)の2階にお店を構えています。もともとは別の場所で営業をしていましたが、移転をすることになった際に「うちの2階が空いているから使っていいよ!」と言ってもらえたんだそう。周りの方々の様々なご縁でこの場所でオープンできたのだとお話されていました。
お洒落な鉄の門構えに両開きの扉がなんともかわいい、ヴィンテージ風な建物。入る前から高揚感な私。
店内は、梢さんの好きが詰まった温かみのある空間。おしゃれでありながらも、気取らない柔らかさが印象的です。
あまりの居心地の良さに、お客さんの中にはカーペットにゴロンと横になって本を読んでいく方もいらっしゃるとか。「ここで眠らせようとしているでしょ!」とのお声があがることもあるそうです。
暖房完備、ホットカーペットもあってこれはもうゴロゴロするしかない店内。ここに来たお客さんがつい長居してしまうのも納得です。
店内には、梢さんこだわりの靴下が勢ぞろい。
もともとはアパレル業界で働いていた梢さん。その頃から靴下がとっても大好きで、実際にたくさんの靴下を履いて試していたそう。
靴下はどれも天然素材のものですが、基本的には洗濯機で洗えるものばかり。お手入れが楽なのも嬉しいポイントですし、そんなところにも梢さんのこだわりを感じます。
靴下の素材にも気を遣うようになったのは、お子さんのアトピーがきっかけでした。お子さんが少しでも過ごしやすいようにという思いから、試しに直接肌に触れる肌着を化繊のものからウールやコットンなどの天然素材のものに変えてみたそう。
そうすると、なんだか心地よさそうに過ごしているような、なんだかその肌着ばかり着たがってる?という発見が。
ご自身が子育て中に乳腺炎になってしまった時も、授乳中で薬に制限がかかる中、少しでも症状が改善したらとの思いからご自身の肌着をウール素材のものに変えてみることに。
そうすると、とても快適になり症状も和らいで、身をもって状態の変化を感じたと話します。そんなご自身の経験が誰かの役に立てればという気持ちが、素材にこだわった商品を提案することに繋がったのでしょう。
お店の靴下をちょっとだけご紹介。
写真左から、スポーツ靴下を長年作ってきたTAIKOさんの技術を集約した「TABI STOKED!」歴史ある足袋靴下。右は、「A HOPEHEMP」抗菌と消臭、調温・調湿機能を兼ね備えた高機能繊維の麻から作られた靴下です。
独特な模様が美しいイラン製の手編み靴下。イランのおばあちゃん達がひとつひとつ編んだものです。本来は多色の色使いが主流ですが、自然なものをという思いから白い羊と黒い羊の毛を紡いだ糸から作られたシンプルなデザインの靴下が置かれていました。
羊毛は調湿もしてくれて、保温性も高いそうで、とっても寒いイランの山間部でも快適に履かれているのだとか。
日本におけるイランの手編み靴下の伝道師OKKOYOKKOさんの本「イランの手編み靴下」もあわせて読みたい一冊。
様々な模様の靴下や編み図がたくさん掲載されており、眺めているだけでも楽しめます。
まめねこ舎には、個人の本屋さんから出版された本や自費出版の本、商業的な流通を目的としていない私家版の本がたくさん。梢さん自身が発見した、好き!と感じる本ばかりだそうです。
ビビビ!ときた本を見つけたら、直接出版元の書店や作家さんに連絡をして仕入れているのだとか。
珍しいものばかりで、装丁も凝ったものが多く、ひとつひとつの本を手に取って読んでみたくなります。
本を読んで物語にのめりこんだり心を動かされたり。本が脳や心に直接触れてくる感覚は、直接肌に触れる肌着や靴下の感覚と似ているのかもと話します。
様々な本が並んでいます。私もビビビ!っと、くる本を探すのに必死になってしまいました。
梢さんの愛するエンデ全集。店内の隅々にまで好きがあふれています。
本や靴下の他にも、動物の置物や文具、カレンダーなど、店内には梢さんのお気に入りがたくさん。あれはこれはとお話を伺ってみると、カレンダーや置物のひとつひとつに梢さんの愛があふれていました。
こちらは梢さんのお母さまが作られたうさぎのお人形。
軽量樹脂粘土を使った作品で、この粘土を使っての細かい作品作りはとっても難しいのだそう。可愛さもさることながら、細かく繊細な手仕事に思わず見惚れてしまいます。
もともとはお母さまがアトリエと雑貨のお店「森のうさぎ舎」を営んでいたそうです。
お母さまから「あなたも何かしたら?」と一言背中を押されたことが「まめねこ舎」の始まりです。店内には他にもお母さまの作品が飾られています。
店内入り口には、フェルトで作られた猫が。フェルト造形作家のヒロタリョウコさんの作品です。ごゆっくりどうぞとお出迎えしてくれているようです。
こだわりの文具も販売しています。ラインナップは東欧のものが多いそう。使い込むほどに味が出て、愛らしさを感じるのだとか。
ここでしか出会えない本、天然素材の靴下など、こんなものがあるんだ!という誰かの興味の入り口でになれたら。そして、今後もこの軸が変わることなく、来てくれたお客さんがリラックスできる癒しの場所でありたい。とお話しする梢さん。
今後は、コーヒーの販売や、ハンモックを設置してもいいかもなんて、居心地の良い空間作りのアイデアは湧き出るようにあるそうです。そのために現在いろいろと模索中だそう。
この場所が、誰かの好きや興味の入り口となり、様々な出会いが生まれ、そこからまた新たな物語が始まるかもしれません。
茶色い猫のちゃろくん。自転車屋さんの飼い猫だそうです。帰り際、見送りに出てきてくれました。店内をウロチョロしていることもあるそう。
梢さんのもうひとつの職場でもある、南阿蘇のパン屋さん DACCO bread + cafe(@dacco.bread.cafe)。実はこちらの店内でも、まめねこ舎で販売されている靴下や本の一部を購入することができます。
元JA阿蘇中央長陽支所敷地内にあるDACCO bread + cafe。
DACCOさんの店主が「うちは、まめねこ舎DACCO店だから!」とおっしゃっていて、なんだかほっこりしました。
DACCOさんの店員でもある梢さん。この日はクリスマスでした。靴下や本の魅力をここでも聞くことができますよ。
まめねこ舎
〒869-1505
熊本県阿蘇郡南阿蘇村中松4120−2
サイクルピットぐるり の 2F
木曜・土曜営業
営業時間:13:30~17:00 頃
営業日などの詳細はInstagramをご確認ください。