古民家の魅力、その可能性

あたり前だったこと

風通しのよい広い部屋。目の前の畑のもので朝食を済ませ、納屋で1日を始める準備をする。田舎ではあたりまえだった暮らし方は古いと言われ次々と置き換わってきました。想定されていないことが起こるようになって、そのあたり前だった暮らしは、以前よりも輝きを増して私の目の前にあります。阿蘇にはまだそのような環境が残っているのです。

こんにちは、神さま。

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「こんにちは〜!」思わず声が大きくなってしまう玄関。すごい遠くから「はーい」と聞こえてきそう

今まで大切に残されてきた築古(1962年築)の木造戸建ならではの懐かしさや愛着、この独特の佇まいは、便利さでは手にすることのできない価値といえます。玄関を上がると、襖が開け放たれて開放的になった部屋に圧倒される。ふと、どこからか風が流れてきています。

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無限に広がっているのではないかと思ってしまうこの空間。ソーシャルディスタンシング、3つの密なんてここにはありません

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いらっしゃいました、大黒さま。太さ9寸(約27cm)× 8寸(約24cm)の大黒柱。対になっている太さ6.5寸(約19cm)の小黒柱(恵比寿柱とも長者柱とも言われる)も大黒柱と共に家を支えています。さらには太さ11.5寸(約35cm)もある差し鴨居で柱をがっちり囲んで田の字型間取りの完成。昔から柱は神さまとされ大切にされてきました。リフォームするならこの神さま(躯体)の力を存分に活かしたいところ

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玄関横にある庭に面した日の当たる洋室。

 

一部フローリングに改装されている部屋もあります。古民家ならではなのは天井の高さ。それを活かして既存の壁や天井を取り払いさらに空間のボリュームを大きくし、できるだけ光を取り込むようにすれば劇的に雰囲気はかわることでしょう

古き良き建物と豊かな庭

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広い庭が見える、お縁を抜けるとそこは、

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トイレでした。この構造も古民家ならでは。トイレはリフォームされているのでそのままでも問題なく使えます

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男子にはありがたい小便器完備、これで「よくきたなまあ座れ」的な張り紙をしないで済みます

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小さな絵のタイルが貼られていてかわいいお風呂なんですが、少々痛んでおり改修の必要があります

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台所から二階に上がれます。二階には和室一間と、屋根裏をのぞける小部屋があります

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持て余しそうな広さの台所

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母屋の隣には、大きな木材が使用されていて、母屋よりも頑丈なんじゃないかと思うほど立派で、母屋と同じくらいの広さがある納屋もあります。以前は農耕用の牛や馬が飼われていました。春は畑を耕させ、夏は阿蘇山のふもとの牧野に放牧し、冬は刈っておいた草原の干し草を食べさせてその糞を田畑に混ぜるといった循環型の暮らしがここにはありました。ちなみに現在もお隣のお宅では牛が飼われています

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納屋の内部。天井に竹や木材が干してあります。自由につかえる作業場は憧れです

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母屋2階から見る南側の庭(畑)は約600㎡あり、25メートルプールもすっぽり入る広さ!阿蘇山も眺められます

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これまでは自宅用に阿蘇の伝統野菜の阿蘇高菜や地ぎゅうり、あかどいもを育てていました。敷地全体の広さは約1,200㎡。これだけの面積があれば野菜等は売るほどできそうです

2,700年以前から受け継がれている集落

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勢いよく吹き出す湧水。熊本地震の時も枯れることなく、自衛隊が給水しては断水している地域に運んでいました

この物件がある阿蘇市役犬原は阿蘇北側カルデラのほぼ中心に位置しています。阿蘇は水が豊富ですが、このエリアは中でも水が豊富な場所です。阿蘇山や外輪山から地下を通って集まってきた水が高い圧力で自然に吹き出すことを「自噴」といい、この役犬原では自噴しているところが10数箇所ほどあります。

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集落にある霜(しも)神社では、火焚き乙女が約60日間火を焚いて神様を鎮める「火焚き神事」が毎年行われています。国指定重要無形民族文化財に指定されているこの神事は、農作物を霜の害から守り、五穀豊穣を祈願するために2700年以上前から続いているという記録があるとのこと

これからの生活様式とは

昨今話題にされている「新しい生活様式」という言葉を聞くと考え込んでしまいます。長い間、人は自然とともに生活してきました。そしてこれからもそれは変わることはないでしょう。長い時間をかけてそこで繋がれてきた価値を見極めて、大切なものだけを次の世代へ繋いでいく。そういった今まであたり前だったことを改めて捉え直すタイミングがもうきてしまいました。新しさだけではなく、古くても良いものを残し、その中に美しさを見出していく。そんなあたり前の原点に立ち戻ることだけで、今よりももっと豊かで成熟した持続的な社会や文化に繋がっていくと思うのです。私はこの物件からその可能性を見たのです。

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間取り図は略図の為、現況優先とします

物件概要

所在地 熊本県阿蘇市役犬原
交通 「四分一」バス停 徒歩5分
価格 800万円
間取り 7LDK
構造 木造
建物延面積 122.31㎡(付属屋は119㎡)
土地面積 1205.03㎡
築年月 昭和37年(1962年)
土地権利 所有権
都市計画 区域内
用途地域 指定なし
建ぺい率 70%
容積率 200%
地目 宅地
接道状況 西 4m 公道
現況 空き家
引き渡し 相談
情報更新日 2020年11月18日
備考 現況優先
物件番号 50080